バースディ・パーティー

 

 

 

 

 

 

 

先月の末から毎日のように氷帝の奴らがオレの所に来ている。しかも誕生日教えろ!だの

携帯番号教えろ!だの変な質問をしていった。にゃんなんだ?あいつ等は・・・・・

 

ま、別にそれ位教えても良いけどね。そんな事より明々後日の手塚の誕生日の準備で

忙しいんだオレは・・・・・・急いで帰って、ケーキの材料買って・・・・それからぁ

 

考えながら校門に向かった。

 

「英二先〜輩一緒帰りましょう」

 

「ゴメン桃・・・オレ急いでんの」

 

桃と一緒に帰ったら、いろんなトコ付合わされちゃう。

 

「菊丸さん!!良かったまだ帰ってなかったんですね」

 

「にゃ?鳳・・・・・・どしたのそんなに慌てて」

 

「・・・・いえ。すいません菊丸さん」

 

そう言って鳳はオレの事をお姫様抱っこすると物凄い勢いで走り出した。

 

「うゎーーーーーん人さらいぃぃ桃ぉ助けろぉ!!」

 

「危ないから暴れないで下さい!!」

 

振り落とされないように鳳にしがみついて、遠く離れていく桃に目をやったら

慌てて学校に戻って行った姿が見えた。

 

 

 

 

 

「手塚部長ーーっ!!大変です」

 

生徒会と新しい部長達のミーティングの中、オレはガラッとそのドアを開けた。

 

一瞬で静まり返った会議室。ハッと我に返ったけど、注目を浴びて恥ずかしかったけど、

 

そんな事より今は英二先輩の事を部長に知らせなければいけないって思った。

 

「桃城・・・・話し合いの最中だ」

 

「そんなのんきな事言ってないで。マジ大変なンス」

 

「桃城テメェいい加減にしやがれ」

 

「っるせぇマムシ黙ってろ!英二先輩が大変なんだよ!」

 

さっきまで冷静にオレを見ていた手塚部長。英二先輩の名前を出したら顔色が変わった。

 

いてもたってもいられない様子・・・・・・

 

「部・・・手塚先輩もう話大体決まったし、そろそろ良いんじゃないッスか?」

 

おマムシもたまには気が利くじゃねぇか

 

その一言でミーティングは終了してオレは部長を連れ出すのに成功した。

 

「菊丸がどうしたんだ?」

 

「英二先輩が誘拐されました」

 

「誘拐?!桃城は犯人を見たのか?何故早く警察に行かん」

 

部長は慌てて、でも冷静に自分の携帯を取り出すと警察に・・・・って

警察に電話しちゃ駄目ッスよ

 

「あぁぁ待って下さい!誘拐したのは鳳です」

 

「鳳?氷帝の・・・・か」

 

「ハイ・・・・だから氷帝に行けば英二先輩いると思います」

 

言い終わると同時位に部長・・・いや、手塚先輩は氷帝に向かって走り出した。オレはそんな先輩を見てちょっと羨ましかった。英二先輩の恋人。英二先輩が待ってる人。オレがなりたかったポジション。手塚先輩が行けば大丈夫と心で呟きオレは自転車に乗った。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「もぉぉぉにゃんなんだよぉぉ!オレは今日急いでんの!降ろせーー」

 

「ちょっと黙ってて下さい。もう直着きますから」

 

そう言って鳳は氷帝のテニス部らしき部室に入った。すっげー立派。青学の部室とは大違い。そんな事を思いながらオレは今だ鳳に抱っこされていた。

 

気付くとテーブルには大きなケーキと豪華な料理。周りには氷帝のレギュラー陣。

 

ケーキには Happy Birthday 景吾 と書かれている。今日は跡部の誕生日?

 

・・・・・で、にゃんでオレココに連れて来られたわけ?

 

「跡部先輩!お誕生日おめでとうございます」

 

と。オレは鳳から跡部に渡された。跡部の膝の上。オレはボーゼンとしてしまった。

 

「鳳・・・・お前のが一番だな」

 

「はぁ??ってオレプレゼントなわけ?ジョーダンポイポイ」

 

ピョンと跡部の膝から飛び降りてプゥと怒ってみせた。

 

「怒った顔もカワイイじゃねーかァ〜ン」

 

「跡部にカワイイなんて言われても嬉しくにゃいの!オレ帰るかんね」

 

「まぁ待てよ・・・・折角来たんだゆっくりしていけよ」

 

手を引いてまた膝にオレを座らせる跡部。

 

ガラッ

 

ドアの開く音がした。

 

「手塚ぁぁぁ」

 

「その手を離してもらおうか」

 

「あ〜ん・・・・コイツはテメェのなのかよ?」

 

「・・・・・そうだ 菊丸こっちへ来い」

 

嘘みたい。手塚がオレを助けに来てくれた。跡部の手を振り払ってオレは手塚に駆け寄った。しっかり肩を抱いてくれる手塚の手。走って来たのかにゃ?額に汗が輝いてる。

 

「じゃぁオレ様の誕生日位そいつを貸せ」

 

「菊丸はモノではない!」

 

「もぉ跡部さぁ祝って欲しかったらちゃんと誕生日教えとけよなぁ・・・・・」

 

オレは跡部に近づいていつも身に着けていたイルカのペンダントを首にかけてやった

 

「プレゼント!跡部には安モンかもだけど結構気に入ってたんだかんな。ありがたく貰いなさい!」

 

あっけに取られてる跡部と他の連中を背に俺達は氷帝を後にした

 

 

 

 

 

「えへへ・・・・」

 

「どうした?」

 

「手塚が来てくれて凄く嬉しかった」

 

「当たり前だろう・・・・・それにさっきのプレゼントにはちょっと妬いてしまった」

「手塚には本物のオレがいるっしょ」

 

手塚は手を握って歩いてくれた。今日は跡部の誕生日。でもオレの記念日にしちゃうもんね。手塚が必死でオレの所に来てくれた記念日。

 

 

 

 

 

 

 

「おい樺地帰るぞ!てめぇら片付けちゃんとやっておけよ」

 

不機嫌そうに見せるオレ。

 

でも今日は結構あいつ等に感謝している。今まで知らなかった菊丸の誕生日。携帯番号・・・・

 

あいつ等がくれたプレゼント そして菊丸からのプレゼント。想いは儚く散ったけれどまだまだ諦めたわけじゃねぇ。欲しい物は必ず手に入れてみせる。

 

見てろよ手塚。待ってろ菊丸 英二・・・・・・・

 

 

 

 

 

 

 

あとがき 

あれ?終わってみたら塚菊。。。。。。
跡部の誕生日なのに跡部フラレてる。。。。。。ゴメンナサイ
でもま、べ様にとってはこれがスタートなのかも・・・と必死のフォローです^^;