恋はLycky Raki Raki

 

 

 

「手塚~遅れてごめ~ん」

 

そう言って走りながら近づいてきたのは菊丸英二のはずだった。・・・・が、そこに現れたのは

なんとも可愛らしい女の子。

瞳が大きく、長くてクルンとしたまつげ。その紅い唇はグロスを塗っているのかふっくらと潤んでいた。赤いサラサラとした長い髪を可愛く結っている。

「・・・・・手塚?」

「菊丸・・・なんだその格好は?」

「・・・・やっぱ変だよね」

「い・・・いや でも何故そんな・・・・」

「姉ちゃんが昨日のオレ見てもう一回女装させたいって・・・今日手塚とデートって言ったらこの

 格好で行けって・・・・やっぱり止めておけばよかったにゃぁ」

シュンとしてしまった菊丸を手塚は抱きしめた。

「や・・・手塚 みんな見てるにゃぁ男同士が抱き合ってたら変に思われちゃうよぉ」

「今の菊丸は男に見えないが・・・・」

手塚の腕の中で見上げる菊丸を見た手塚は、口付けたくなったのをグッとこらえ、手をとって歩き出した。

昨日は青学の文化祭だった為今日は振り替えで学校は休み。もちろん部活を引退したこの2人は練習もなく・・・・付き合い始めて数ヶ月・・・・デートらしいデートは今日が初めてだった。

「手塚・・・・どうしたの?さっきからずっと黙ってる・・・・・つまらない?それともやっぱりこんな格好してるから

 嫌?」

「・・・・そんなことはない。いや・・・でも嫌かもしれない・・・・・これ以上お前のそんな可愛い姿を誰にも見られたくないからな。気付いていたか?すれ違う男がみんなお前を目で追っていた事に・・・もう限界だ。俺は・・・・」

「手塚・・・嬉しいにゃぁ・・・・でも俺ももう限界かも・・・・」

不意に足を止めた菊丸は何かをガマンしていたのか笑顔が消えていた。

「菊丸?・・・どうしたんだ?」

「・・・ごめん 足痛くて歩けにゃい・・・・」

履きなれない靴のせいで菊丸の足は赤く靴ずれになっていた。

「菊丸・・・・・・すまない 気付いてやれなくて。待っていろそこの薬局で絆創膏を買ってくるから」

菊丸を抱き上げ、近くにあったベンチに座らせると手塚は薬局にダッシュで向かっていった。

 

「・・・・せっかくのデートだったのになぁぁ・・・俺って最低・・・・やっぱり普通の格好で来ればよかったにゃぁ」

 

「何々?靴ぬいじゃって。君足痛くて歩けないの?だったら俺らが休める所まで連れて行ってやるよ・・・・・」

ハッとして顔を上げた菊丸の目に飛び込んできたのは手塚ではない見知らぬ顔が2人。

「誰?あんた達・・・・俺あんた達知らにゃいし・・・・」

「可愛い顔して俺はよくないなぁ・・・・女の子は『私』って言わなきゃ

「・・・・・・関係・・・・ないじゃん」

菊丸は少し恥ずかしそうに赤くなってしまい(なんてったって女装)プイとそっぽを向いた。

「やっぱ可愛い!ここじゃ寒いし、暖かくなれる場所行こうよ。俺3人でも全然OK!」

「俺も・・・・」

3人でもOKて。何訳分かんない事言ってんの?」

「・・・・・?分かってるくせに・・・ラブホ行くんだってこれから」

「はぁぁぁぁぁ???(何こいつら。3人で、ラ・・・ラブホ?)つーか俺ココで恋人待ってんだけど・・・・・」

「その通り・・・他人の恋人に何をしているんだ」

2人組みの男の後ろに手塚が薬局の袋を持って立っていた。しかも眉間の皺MAX2人を睨みつけていた。

「手塚ぁ・・・お帰り

「て・・・手塚・・・」

「・・・・この子手塚の彼女だったんだ・・・はは 悪かったな じゃぁな」

手塚の顔を見てか、名前を聞いてか分からないが、二人組みの男は顔を引きつらせ人ごみに消えていった・・・・・・。

「・・・・・やっぱりその姿はもうしないでくれ」

ため息まじりに菊丸を抱きしめ手塚が静に言った。そして買ってきた消毒をして、絆創膏を貼ってから再び手塚は菊丸を抱きしめた。

「手塚・・・・ごめんね。もう女装しないから・・・・」

「・・・そうしてくれ。普段でも気が気じゃないのに・・・・これ以上俺のライバルを増やすな」

「・・・・・クス ライバルなんていないじゃん。俺は手塚の物だもの」

クスクスと笑いながら菊丸は手塚の頬に口付けた。菊丸の口紅が手塚の頬に薄っすら付いた。

「菊丸・・・俺はもう限界だ」

「・・・・ん?どうしたの?何が限界にゃの?」

「理性がもたない。菊丸・・・お前が欲しい」

「・・・・・・・///手塚!!」

照れた顔を菊丸に見られないように強く抱きしめる。菊丸も顔を紅く染め手塚の胸に顔を埋めた。

「・・・・・でもさ、うちも手塚ん家も誰か・・・いるじゃん」

「・・・・・さっきの奴らが言っていただろう・・・・」

「ホテル!?ちゅ・・・中学生ホテルに入れないっしょ・・・・」

「俺が中学生に見えるか?」

「・・・・・・」

「決定だな・・・・」

 

 歩けない菊丸を抱き上げ、手塚は最寄のラブホテルに入っていった。

 薄暗い部屋に大きなベッドが一つ。そこに菊丸を寝かせ優しい触れるだけのキスをした。そして深く口付けながら手塚は菊丸の服のボタンを一つ一つ外していく。

菊丸は全てを手塚に委ね目を閉じた。

手塚は菊丸の首筋や胸に舐めるようなキスを繰り返す。

菊丸は頭の中がしびれるような感覚になっていた。どこに触れられてもビクッと腰が揺れてしまい熱い吐息を漏らす。

 

「菊丸・・・・大丈夫か?」

「うん 大丈夫。手塚愛してるよ・・・・」

腰を貫かれるような痛みに思わず「痛い・・・・・」と眉を寄せる菊丸に手塚は一旦動きを止める。

ゆっくり、ゆっくり、菊丸の中に入る手塚。唇をキュッと噛み、力を入れる菊丸のその唇に口付け、そっと口を開かせた後舌を絡ませた。

「ふ・・・・ん・・・あぁぁっ」

あられもない声が菊丸からついて出る。

手塚がゆっくり動き、だんだんに深く突き入れられ度菊丸は甘い声を上げた。

背中にぞくぞくしたものが走り痛みもいつしか甘いものに変わっていった。 

 

 

 

菊丸は幸せそうに手塚の腕の中にいた。手塚も菊丸の頭を優しく撫でながら微笑んでいる。

しばらくその甘い時間を過ごした後、二人はその部屋を後にし、手をつなぎながらゆっくりと歩いていた。

「菊丸・・・今日の誕生日プレゼントは何がいい?もっと早く買ってやるつもりが・・・すまない」

「んー?クスクス いいよ~15歳の誕生日記念に手塚と一つになれたし。それで充分

「・・・・そんな事大声で言うな!」

「あはは ごめん。あっ!じゃぁさ、スプレーカーネーションの白いやつが欲しい。貞節・若い娘って意味なんだよ。今の俺にピッタリだと思わない?」

「そうか・・・では花屋に行こうか・・・」

「ちなみにねぇ手塚の誕生日はねキングプロテアって赤い花で、花言葉が 王者の風格 なの これって手塚の為の花だと思わない?」

 

笑顔で話をする菊丸に手塚はHappy Birthdayと心で呟く。

 

『誕生日おめでとう菊丸。来年も再来年も、この先もずっと一緒にこの日を祝おう』

 

 

 

 

あとがき

菊丸!Happy Birthday

なんだかエロエロちっくになってしまったけど、まあいいさぁぁぁ!!
エロエロ嫌いな人スイマセンでしたぁ。(o*_)oきっと多分もう書かない。。。
てゆーか書けない!こんなんでも恥ずかしくなってきて書ききれてないし(*≧m≦*)
15歳っていう切りのいい日までに好きな人と一つになれたら嬉しいかなぁ(15歳では早い気がしますが・・・・)
と思ってこんな話にしました。もう一つ書きたいのがあったのですが、それはまた他の機会に。。。
作品中の昨日の話もまた今度。。。。書ければいいなぁと思っています。